先日、

10年前コーチトレーニングの場で知り合ってなぜか意気投合し、

全国バラバラに住んでいるものの、

毎年必ず一度は一緒に旅行するほど仲良くしている女性6人組にて、

秋田乳頭温泉～角館を訪れてきました。

金曜日、私以外の5名は朝からそれぞれ秋田入り。

私だけ17時に仕事を終えて、東京駅から秋田新幹線こまちにて田沢湖へ。

21時過ぎ、田沢湖駅で降りる人は数えるほど。

駅前に一台だけ待っていたタクシーに飛び乗り、

「鶴の湯へお願いします」

と告げました。

駅前は辛うじて明るかったものの、

3分も走れば辺りは真っ暗に。

そこからどんどん山の方へ入っていき、

途中スキー場界隈のホテルの明かりにホッとしたのもつかの間、

いよいよくねくね曲がった本格的な山道に。

道路の状態も決して滑らかではなく、

タクシーの運転手さんですら徐行運転する場所も多々あり、

「どこまで奥に入るんだろう･･･」とちょっと不安に。

そんなこんなでガタガタ道に揺られつつ約30分。

うっすらと茅葺屋根の建物とほんのりした明かりが見え、

なんと寒い中、

仲間が私を出迎えに温泉宿の駐車場まで出てきてくれていて

やっと笑顔になれました。

これぞ山奥の秘湯。

その言葉がぴったりの場所。

辺りはすべて山。

その温泉旅館しか建物はありません。

もちろん真っ暗。

でもって、満天の星空の美しいこと。

東京とは10度以上は違うであろうキンと冷えた空気が

とても美味しい。

宿泊する部屋は

本陣と呼ばれる昔お殿様が湯治に訪れた際に

警護の者が詰めた部屋。

囲炉裏には炭が焚かれ、

その香りが心地よい。

小さい洗面所とトイレは付いているものの

電話はなく、

ランプの明かりがまた風情を醸し出していました。

遅れて着いた私のために、

1人分だけ山の芋鍋を中心とした優しく美味しいお膳を用意していただき、

地ビールや地酒を酌み交わしながら、やっと仲間と一緒の楽しい時間に。

24時間入れる温泉は全部で4種類。

夜中にこっそり混浴露店風呂に入ってみる。

さすがに他のお客様はいらっしゃらなくて、

私たちだけの貸し切り状態。

乳頭温泉郷と呼ばれるだけあって

乳白色のお湯はとても柔らかく心地よい。

星空を眺めつつ、

贅沢な空間と時間をじっくりと味わいました。

周りには自然の音だけ。

その中でぐっすりと眠りにつき、

ちょっと早起きして

朝の散歩に。

うっすらと紅葉が始まっている山々に囲まれて

ススキの穂が揺れている川のせせらぎが心地よい。

そんな中、今度はひとり内湯に浸かる・・・。

本当に何もない山奥。

でも、なんて豊かなのだろう。

細かな不便さまでもが贅沢なような気がしてくる。

「住めるか？」

と聞かれれば、

正直「Ｎｏ」と言わざるを得ないけれど、

きっと日本人の誰もが心地よいと感じる環境がそこにはあるような。

「何もない」がもつ豊かさ。

それをじっくりと味わうことができました。

乳頭温泉郷　鶴の湯

http://www.tsurunoyu.com/

半年前から電話でしかできない

超難関の予約を取ってくれた秋田出身の仲間に、

そして、

今年も一緒に貴重な時間を過ごせたごきげんな仲間たちに、

心から感謝です。

今回はこのあたりで。

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